その1 有限会社制度の廃止
有限会社制度廃止の趣旨
新会社法の中で特に注目すべき改正点は、有限会社制度の廃止です。有限会社が廃止され、株式会社と有限会社という二つの会社類型が、一つの類型(株式会社)に統合されました。今までは株式会社については規模の大小に関わらず一律に公開会社を前提として規制を厳しくしていたため、中小企業(株式会社)が大半を占める日本の実態と法が乖離していました。
(例)株式会社には一律に取締役3名以上、監査役1名以上が必要だったため、中小株式会社で、名目だけの取締役や監査役が多く設置されていました。
そこで、新会社法では、株式会社を「公開会社」と「非公開会社(譲渡制限会社)」に区別し、非公開会社については、有限会社と同様の緩い規制が課されるようになりました。よって、有限会社の必要性がなくなり、制度は廃止されました。
新しい区別基準
新会社法においては、以下の区別基準に基づき会社の種類が分類され、実態に即した規制を実現しようとしています。
@公開会社と非公開会社(株式譲渡制限会社)
公開会社:定款に譲渡制限が全くない、もしくは、譲渡制限種類株式(法108条1項4号)
としてのみ譲渡制限がある会社(法2条5号)
非公開会社(株式譲渡制限会社):全ての株式について譲渡制限がある会社
A大会社と非大会社(中小会社)
大会社:次のいずれかに該当する会社(法2条6号)
(1)最終事業年度に係る賃借対照表に資本金として計上した額が5億円以上である
株式会社
(2)最終事業年度に係る賃借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上
である株式会社
非大会社(中小会社):非大会社以外の株式会社
B株式会社と持分会社
株式会社:株主から成る会社
持分会社:合名会社、合資会社、合同会社の総称(法575条1項参照)。

